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2016年 02月 27日
![]() 私はコメディは好きではない。だが、この映画はとても好きだ。 この映画はコメディという枠を越えて(オーバーに言えば)人間愛に溢れた映画だ。そして、人生は小さなことの積み重ねでできていて、それを大切にすることでやがて幸せはやって来る、という真実を教えてくれる。 初めて観たのはまだ人生の酸いも甘いもわからない学生の頃で、観終わった後、ただただ2人の主演俳優の(まるで舞台を観ているかのような)速射砲のような台詞の凄さと、その台詞を作り出した脚本家の知性とウィット、そしてそれらを流れるように観せてくれる監督の職人芸の凄さに驚き、参った。 その後時を経て何回かDVDを借りて観たが、観飽きるどころか観る度に発見があり、味わいは増してくる。 この映画にはディテールがある 例えば、二人が初めて出会う雨の日のシーン。これは最後の二人の別れ(グッバイではなく、必ず戻ってくるよ、という強い絆)の雨の日のシーンと重なる。 二人が言い合う中でポーラ(マーシャ・メイソン)がエリオット(リチャード・ドレイファス)のセリフで彼が俳優だと初めて気づくシーン。 「あなたも俳優ね、あきれたわ‥‥“欲望という名の電車”のセリフよ」 ところが、別のシーンでポーラも“欲望‥‥”の別のセリフを言う。 こういう映画や舞台の名セリフやそれにまつわる俳優の名は至る所に出てくる。 (余談だが、エリオットにサディスティックな舞台の演技指導をする演出家の「Trust me!」(私を信じてくれ!)を今回DVDで聴いて、思わず笑ってしまった。まさか某総理大臣がこの映画を観てパクったとは思わないが・・・) この映画は舞台俳優や演出家の楽屋落ちかそれに似たシーンが多くあり、少しわかりにくいがおもしろい。と同時に、どこか悲哀に溢れている。 その最たるものが、ポーラが全財産の入った財布をひったくりに会い、犯人を追いかけながら転び、路上に散らばったスパゲッティを泣きながら拾い集めるシーンだ。(私は何回観てもこのシーンで涙が出てくる) そしてコメディは落語の人情噺と同じで、笑うだけでなく、逆の要素も入って初めて深い感動と共感を生むのだということに気づかされる。 やがてわかり合い、心を通わせ合う二人。 そしてとびっきり素敵な、夜の屋上での二人だけのパーティー。 だが、突然の雷雨でそれは打ち切られ、部屋へ退散する。そしてピザを頬ばりながらポーラの別れた(グッバイされた)男達との話がひとしきり続いた後、二人は結ばれる。 その後も順調に続く二人。だが、エリオットにシアトルでの映画出演の話が舞い込み、事態は突然変わる。 再びグッバイされるのかと落胆するポーラ。この時のセリフがおかしい。 「いい映画でスターになって。できたらアカデミー賞も取ってね」 (その後、リチャード・ドレイファスはこの映画でアカデミー主演男優賞を本当に取った) それに対するエリオットの別れの言葉。 「飛行機が落ちても帰ってくるぞ! 心から誓う。 死ぬまで僕らは一緒だ」 そして、あのラストシーンだ。 とてもカッコイイとは思えない体躯のリチャード・ドレイファスがとてもカッコ良く見えてしまう。 だから人生は不思議だ。 二人の名優と(それに負けないくらい活躍する)一人の名子役に乾杯! (脚本の)ニール・サイモンと(監督の)ハーバート・ロスに感謝! そして心に残る主題歌をつくったデヴィッド・ゲイツと、バックに流れる繊細な音楽で映画の雰囲気をコントロールし続けたデイヴ・グルーシンに拍手! かずま
by odyssey-of-iska2
| 2016-02-27 23:05
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