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2016年 11月 30日
日本は素敵な国で、四季それぞれを味わうことができる。 春の次には夏が来て、その次には秋、そして冬がやって来る。冬は冷たく寂しい。だがそれが永遠に続くわけではなく、やがて春は必ずやって来る。 こうしてすべてを味わえるから、より多くのことが感じられ、一年がより味わい深いものになる。 それは人生に似ている。 この映画にもそれは言える。 主人公の青年ギルバート(ジョニー・デップ)はアメリカの田舎町の食料品店で働きながら、一家の大黒柱として重い知的障がいを持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、母、姉、妹と暮らしている。母は若い頃は町一番の美人だったらしいが、夫の突然の自殺で過食症になり、今は一人では動けないほど肥満し、家に閉じこもっている。兄はいるのだが、既に独立して関係は無い。 こうした出口無しの閉塞感をギルバート役のジョニー・デップは淡々と抑えた演技で終始演じる。だから余計彼の日常的な寂しさや空しさが静かに伝わって来る。 今や性格俳優として有名なジョニー・デップの演技としては意外だが、この映画にはとても合っている。 それに対し、ディカプリオの演技は天真爛漫で自由で、これまたすばらしい。 (初めて観た時は本当に知的障がい者が演ってるのかと思った) こうした状況の中、爽やかな一つの風が吹く。 トレーラー・ハウスが故障して、ベッキー(ジュリエット・ルイス)がこの田舎町にやって来る。そしてギルバートに初めてやすらぎの時が訪れる。 だが、弟や母を看る思いからギルバートは自由に羽ばたけない。 アーニーの18才の誕生パーティーの後、ベッキーは町を去る。それに時を合わすかのように母も亡くなる。母を見世物にしたくないギルバートは家に火をつけ、家ごと母を弔う。 それから1年後、姉妹がそれぞれの道に進むのを見届け、ギルバートは再びやって来たベッキーのトレーラーにアーニーと乗り込み、初めて自由の旅に出る。 この映画をどう評価するかは人によって異なるだろう。 ディカプリオの印象的な演技こそあれ、全体的に淡々として描写はおとなしい。 (ある意味、アメリカ的な映画でないのは、監督がスウェーデン出身だからかもしれない) では話は極めて自然かと言うと、結構シチュエーションやストーリーはエキセントリックで、寓話的要素も多い。 こうした体験や似たような境遇の有る無しで評価は大きく分かれる。 この映画を初めて観た頃、私は交通事故で脳をやられた父を看始めた。 それはこれから先何年続くかわからない旅の始まりだった。 大好きな父を看るのだからけしてつまらない旅ではないはずだが、それ以外のものを犠牲にする旅は(少し)残念だった。 自分自身と主人公を重ね合わせながら映画を観た。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ この冬、久しぶりにこの映画を観た。 もう父は亡ない。認知症の母も施設に入り私の手から離れた。 ラストシーンが初めて自分自身と重なった。 かずま
by odyssey-of-iska2
| 2016-11-30 21:51
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