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2017年 04月 30日
自分の精神構造はどうやってつくられたのかに興味がある。 もちろん、それは一筋縄ではなく、生まれた時代や場所、育った家庭、周りの環境、出会った人々、読んだ本、DNAなど、いろんなものが複雑に絡み合いながら奇跡的に結合し生成されたに違いない。 その要素の一つに、私の場合、映画やジャズは大きく影響している。 映画を強く意識するようになったのは高2(17才)の頃からだ。 そしてその頃、観た時はそれほどではなかったが、その後折あるごとにフラッシュバックのように脳裏をよぎり、拡大しながら自動生成され、定着していった映画がある。「バニシング・ポイント」だ。 ストーリーは単純だ。 ある中年の男がデンバーからサンフランシスコまで15時間で車を陸送する賭けをする。そして時速200kmでぶっ飛ばし、白バイの追跡やバリケードを突破していく。そのニュースを聞き、逃亡車を熱狂的に応戦する盲目のディスクジョッキーと市民たち。次第にエスカレートしていく警察の追跡とそれから必死に逃げる白い車。 その果てに、巨大なパワーシャベルが道を塞いで待ち構えていた・・・ これはアメリカン・ニューシネマ真っ只中の1971年の映画だ。 バニシング・ポイント(消失点)という題名からして、結末は既に暗示されている。 内容も、15時間というタイムリミットの設定上、現在地と時刻が字幕で表示され、わかりやすく、(過去の回想シーンがその合間にフラッシュバックのように挿入されるが、どこか凡庸で)ある意味、単調だ。 だから、見た当時は秀れた映画だと思わなかった。(今でも思わない) だが、とてもシンプルな骨格をしている分、ラストシーンは強く心に残った。 そして私の中でエイリアンのように巣をつくり、肥大して、一つの感覚に至った。 それは簡単に言えば、明るい敗北、白い虚無、のような感覚だ。 なぜ明るいかというと、ラストシーンでコワルスキー(主人公の中年男)がアクセルを全開に踏む前に、ニヤリと微笑むからだ。敗北を受け入れ、その真っ只中に飛び込んでいくことを自分から欲している。 そして、無に向かって消えていく姿に白い美意識を感じる。 この姿勢、この感覚は他の映画では味わえない。 監督のサラファインや主演のバリー・ニューマンの他の映画は、一つも観ていないし、知らない。 だが、この映画は永遠に残るだろう。 かずま
by odyssey-of-iska2
| 2017-04-30 15:23
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