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2019年 11月 16日
久しぶりに「レオン」を観た。 以前観たのは劇場版で、今回観たのはそれより22分長い完全版だ。 長くなった分、展開はややスローになったが、その分、レオンとマチルダの描き方は深く丁寧になった。私は個人的にはこちらの方が好きだ。 いずれにせよ、ストーリーに無駄が無く、カット割はアメリカ映画だが、ユーモアやエスプリはフランス映画で、その両方の良さが合わさった、ベッソンの最高傑作だ。 今回久しぶりに観て、音やセリフがとても効果的でよくできてるなと感じた。 特にジャン・レノの声は低く、寡黙でいい。(殺し屋はこうでなければ!) その殺し屋が飲むのはいつもミルクで、愛するのは観葉植物というギャップもなかなかいい。(こういうセンスはさすがだ) 同じく、年齢以上に大人びたマチルダがいつも見るTVは子供向けのアニメで、その大きな音でスタンスフィールドの手下は部屋に入るのをやめ、レオンらは助かる。 一家を虐殺され、弟の死を悲しむマチルダ。レオンは台所でブタを1匹飼っていると言って慰める。いるわけないわ、さっき台所を見たのよ、というマチルダに、 「やあ、マチルダ」とブタのミトンのレオン。 「ハ〜イ、ピッギー」涙目で微笑むマチルダ。 「ご機嫌いかが?」「悲しいわ」 「名前は?」と聞くマチルダに、「レオン」 「かわいい名ね」 その言葉に思わずミルクを吹き出すレオン。 こういうシーンがあるから、緊迫したシーンがさらに引き立つ。 「レオン、あなたの仕事は何?」 「掃除屋(cleaner)だ」 「殺し屋のこと?」「ああ」 「すてき」 こんなセリフもある。 マチルダが外に銃をドンパチ打って1回目のアジト替えをする羽目になり、安ホテル住まいも飽きてきた頃のフロントとマチルダの会話。 「父さんの職業は?」「作曲家よ」 「すばらしい」 「(本当は)父親じゃないの。愛人なの(He is my lover)」 これで再び追い出され、2回目のアジト替えをする羽目になる。 レオンはマチルダに掃除の仕方を少しずつ教え、やがてマチルダはそれを覚え、弟を殺したスタンスフィールドを殺しに麻薬取締局へ一人で乗り込む。だが、逆に捕えられる。それを知ったレオンは救出に向かい、成功する。 そして抱き合う二人。(この撮り方もなかなかだ) やがて二人のアジトはスタンスフィールドに見つかり、特殊部隊の総攻撃を受ける。 レオンはマチルダをダクトスペースから逃すが、爆破に会い、手酷い傷を負う。 だが、倒れた特殊部隊員を装い、半ば脱出に成功する。 (この辺りは「羊たちの沈黙」('91)のレクター博士の脱獄や、「グロリア」('80)のラストと少し重なる) だが、執拗に追いかけるスタンスフィールドに背中から銃で打たれ、倒れる。 (この場面はレオンの視線がゆっくり崩れるのと途切れるピアノの音だけで表され、さすがだ) 「スタンスフィールド?」と息も絶え絶えに聞くレオン。 「何かご用は?」 「お前への贈り物だ、マチルダからの」 (レオンの手の中の爆薬の信管を抜いたリングを見て)「クソ!(Shit!)」 最後にレオンの形見の観葉植物を土に埋めて、マチルダが言う。 「もう安心よ、レオン」 根無し草だったレオンにもやっと根を張る大地ができ、映画は終わる。 この映画は、ストーリーの展開やセリフ、音が素晴らしいだけでなく、人間がよく描かれている。 レオンやマチルダだけでなく、レオンの親代わりでもあるトニーや、マチルダの家族の日常風景、スタンスフィールドの部下の様子など。わけても敵役のスタンスフィールドのエキセントリックで異常な性格描写や不気味な描き方は凄い。 (もちろん、それを演じたゲイリー・オールドマンが凄いのだが) だから、レオンやマチルダに観客のすべての心が動く。 いい映画は人間の造形も深い。 かずま
by odyssey-of-iska2
| 2019-11-16 18:01
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