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2022年 11月 02日
2月にロシアがウクライナ侵攻を始めて以来8ヶ月が過ぎた。 第1次、第2次世界大戦で戦争がいかに馬鹿げた行為であるかは散々学んだはずだと思っていたが、懲りずに再びこんな愚かな行為を繰り返すことに衝撃を受けた。 世界中の元首は、元首になったら、アウシュヴィッツで一週間過ごしたらよい。 アラン・レネのこの作品は、発表当時、カンヌ国際映画祭に出品されたが、西ドイツの要請でコンペティション部門外で上映されたらしい。戦後まだ間もない頃で、ナチスのアウシュヴィッツ強制収容所を扱ったこの映画は、さすがにドイツ国民には強烈過ぎたのだろう。 だが、実際観ると、ナレーションは声高ではなく詩的で、映像も戦争当時のものはモノクロ、それから10年後の現在はカラーで、対比的で客観性を帯び、どこか淡々としている。その分、普遍性を獲得し、今の眼で見ても、わずか32分の作品なのに、十分過ぎるくらい強いメッセージが伝わってくる。 私はこの映画を観るまで、アウシュヴィッツ強制収容所のドキュメンタリーを見ても、歴史の悲惨な事実だとは理解してても、この建物の建設に当然ながら建築家が関わっているという認識は欠落していた。 ところが外壁のレンガや内部の寒々とした内装、家畜を収容するかのようなレンガの衝立と木の3段ベッド、コンクリート穴の開いただけのトイレ、ガス室の図面に慄然とするとともに、職能意識が逆なでされ、我が事のように感じられ始めた。 果たして私はこのような状況下でこのような仕事を受け入れただろうか。 知らなければやったかもしれないが、知った後でもやっただろうか。 私は一体どういう行動をとっただろう・・・ 映画は最後にこんな言葉で終わる。 カポ(囚人看守)も将校も言う 「命令に従っただけ」「責任はない」 では、責任は誰に? 戦争は終わっていない 火葬場は廃墟に、ナチは過去となる だが、900万の霊がさまよう 我々の中の誰が、戦争を警戒し、知らせるのか 次の戦争を防げるのか 今もカポが、将校が、密告者が、隣にいる 廃墟の下に死んだ怪物を見つめる我々は 遠ざかる映像の前で、希望が回復した振りをする ある国の、ある時期における、特別な話と言い聞かせ 消えやらぬ悲鳴に耳を貸さぬ我々がいる 同じことがその後も何度も繰り返された。 もう一度、この言葉を我が事として噛み締めたい。 かずま
by odyssey-of-iska2
| 2022-11-02 20:14
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